歩き遍路の四国八十八ヶ所 19 立江寺
四国八十八ヶ所十九番札所は立江寺(たつえじ)様です。阿波の関所寺と呼ばれています。
十八番札所から歩きで1時間弱です。途中にお京塚と呼ばれる休憩所があります。江戸時代後期、お京という女性がいました。石見浜田(島根県浜田市)出身で大坂で芸妓をやっていましたが要助と恋仲になり出身地の浜田に帰り夫婦になりました。しかし、長蔵という浮気相手が出来て長蔵と一緒に要助を殺害してしまいした。二人で心中しようと讃岐丸亀(香川県丸亀市)まで逃げましたが死にきれず遍路に出ました。そこでこの関所寺です。罪咎ある者は前に進めないという寺です。この寺に参拝したとき、お京の髪が鐘の緒に絡まって動けなくなってしましました。お寺の住職が念仏を唱え取り除きましたが、哀れ、頭皮とともに髪が取れました。改心したお京と長蔵はお京塚のある地で終生、要蔵の菩提を弔いました。遍路のふりをした不義の者は何処かで天罰が下るという戒めの話です。天網恢々疎にして漏らさず、怖いです。なお、お寺には黒髪堂があり髪の毛の着いた鐘の緒が納められています。ちょっと不気味ですよ。
さて、ここには宿坊があります。お寺の手前にも遍路宿があります。十三番札所あたりから出発した人はこの辺りで5日目の宿となります。十六番札所か十七番札所近くから出発した人は次の札所の麓まで進むことになり、この辺りで速い人遅い人の巡礼の所要日数に差が出てきます。
高野山真言宗のお寺で、御本尊は地蔵菩薩様です。御真言は「おん かかか びさんまえい そわか」ですね。
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