四国別格二十霊場 1 大山寺
四国別格二十霊場一番札所は大山寺(たいさんじ)様です。所在地は徳島県板野郡上板町神宅(かんやけ)14-2です。四国三十六不動霊場の一番札所でもあります。
源義経ゆかりの寺で、屋島の戦いに臨んで戦勝を祈願しました。戦勝後、三宝荒神像、初音のつづみ、愛馬の薄雪などを寄進したと言われています。
毎年1月第三日曜日には三方に乗せた大鏡餅(総重量169kg)を抱えて運ぶ「力餅」というお祭りがあります。
修験道のお寺で、本堂前では柴燈護摩が催行されます。テレビ番組でチャンカワイさんが修験者の格好をして火渡りをしたことがあります。
修験道のお寺だけに真言宗醍醐派のお寺です。御本尊は千手観音様です。御真言は「おん ばざら たらま きりく」です。
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四国別格二十霊場
四国の霊場には別格二十霊場という霊場があります。四国には八十八ヶ所寺院以外に弘法大師ゆかりの番外霊場が数多くあります。その中の二十の寺院が集まり1968年に霊場を開きました。開創から半世紀が経ちましたが八十八ヶ所に比べるとずいぶん若い霊場です。
なぜ二十なのかと言うと、八十八ヶ所と合わせて巡拝すると百八ヶ寺になるからです。つまり、これら全てのお寺を巡拝することで煩悩を滅っしましょうと言うことです。
徳島県にある大山寺様から始まり、八十八ヶ所と同じ方向に高知県、愛媛県、香川県と巡拝します。そして最後は徳島県と香川家の県境近くの徳島県側にある大瀧寺様で終わります。
徳島県六ヶ寺(うち、二ヶ寺は香川の霊場となる)、高知県一ヶ寺、愛媛県九ヶ寺、香川県四ヶ寺となっています。
八十八ヶ所の道すがらにあるお寺もあれば、八十八ヶ所とは離れたばしょにあるお寺もあります。八十八ヶ所と合わせて歩くとかなりの日数を要します。
次回、第一番から順を追ってご紹介しますが、この霊場は歩きではご案内しません。なお、現在、私は八十八ヶ所と合わせて別格二十霊場も歩きに挑んでいます。
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歩き遍路の四国八十八ヶ所 町石道と高野山
四国八十八ヶ所を無事結願し、一番札所にお礼参りしたら高野山にお参りして弘法大師にお礼のご挨拶をしましょう。高野山は今でも弘法大師が入定留身されて深い祈りを行われている場所です。
折角なら一番札所を出て全て歩いてみませんか?コースは一番札所から真っ直ぐ南下し徳島市まで行き、徳島港から南海フェリーに乗って和歌山港まで向かいます。和歌山港から東に向かい、岩出市辺りで1泊、紀ノ川沿いに九度山町まで向かい九度山町で一泊し、世界遺産の町石道を歩いて高野山まで概ね2泊3日です。
町石道の始まりの慈尊院様を参拝し高野山へ向かいます。慈尊院様から高野山まで全て世界遺産です。慈尊院様は高野山真言宗のお寺で、御本尊は弥勒菩薩様です。御真言は「おん まいたれいや そわか」です。
町石道はほぼ登り道で決して楽とは言えませんが森の中を進むとても気持ちよい道です。一町(108m)ごとに町石と呼ばれる石塔が建っています。百八十町から始まり、その数がだんだんと減っていき、一町を過ぎれば高野山の壇上伽藍に到着です。
たかの山 山にはあらで はちすばの 花坂のぼる 今日のうれしさ
壇上伽藍には金堂や根本大塔、御影堂があります。金堂の御本尊は阿閦如来(あしゅくにょらい)様です。御真言は「おん あきしゅびや うん」です。
まだそこから弘法大師がいらっしゃる奥の院までは3kmほど歩きます。
奥の院の燈籠堂と呼ばれる建物が見える手前に玉川という川が流れています。そこに架かる橋を御廟橋と言います。四国八十八ヶ所のお寺では笠を被ったままで良かったのですが、御廟橋から先は笠を脱いで下さい。撮影も厳禁です。
燈籠堂でまず一礼し、左から出て裏へ回ると弘法大師の御廟があります。ここで永久の祈りを行っておられますので感謝の読経を捧げましょう。祈り終えたら燈籠堂の地下に入り、弘法大師のお姿を拝見して下さい。
ありがたや 高野の山の 岩かげに 大師はいまだ おわしますなる
燈籠堂を出て御廟橋手前に納経所がありますので納経印を頂けば完了です。お疲れ様でした。あとはバス、ケーブルカー、南海電鉄を乗り継いで帰途について下さい。ご自宅まで歩いて帰ってもかまいませんよ。
これで四国八十八ヶ所歩きの修行は無魔成満です。
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歩き遍路の四国八十八ヶ所 88 大窪寺
四国八十八ヶ所八十八番札所は大窪寺様です。八十七番札所から歩くと約5時間です。お寺まで至るルートは2つあります。
一方は昔からの遍路道を行くルートで距離はありますが比較的なだらかな上りの道です。山門から境内に入ります。
もう一方は新しく設けられたルートで女体山という標高740mの山を登ります。途中に岩登りが控えていますので距離は前者より短いですが厳しいルートです。こちらは下りてくるといきなりお寺の境内に入ります。お寺までの下り道には奥の院の胎蔵峯寺があります。無人の仏堂で、御本尊は阿弥陀如来様です。御真言は「おん あみりたていせい からうん」ですね。大窪寺様の納経所で納経印を頂けます。
どちらを選ぶかはご自身の体力と相談して下さい。因みに、比較的後者を選ぶ方が多いようです。
八十七番札所を出て暫く歩くとだんだんと登り道になります。どちらのルートでも、やがて前山ダムが見えます。ダムを過ぎると道の駅ながおがあります。その向かい、ダム湖に前山おへんろ交流サロンがあります。是非立ち寄って「八十八ヶ所を歩いて回りました。今日で終わります。」と告げて下さい。遍路大使任命証とバッジが頂けます。頂いたバッジは輪袈裟か、さんや袋に付けると良いでしょう。歩き遍路の勲章です。因みに、自転車で回っても頂けます。歩きは赤、自転車は青のバッジです。付けていると知っている人には「歩かれたんですね。」と注目して頂けます。
写真には柴燈護摩の大祭を載せました。春分の日と山の日の年2回、催行されます。山中にあるお寺なので山岳修験のお寺であることを窺い知ることが出来ます。
真言宗単立のお寺で、御本尊は薬師如来様です。このお寺の御本尊は秘仏ですが法螺貝をお持ちになっているそうです。そういった意味合いからも修験道と深い繋がりがあります。御真言は「おん ころころ せんだり まとうぎ そわか」ですね。
これで結願(けちがん)です。仏教では結は”けち”と読む場合が多いです。結縁も”けちえん”と読みます。西国三十三所などの霊場は全ての札所を参拝し終えることを満願と言いますが、四国八十八ヶ所では結願です。願いが全ての仏様と結ばれたと言うことですね。このお寺で申し出ると2000円で結願証明書を頂けますよ。おめでとうございます、これであなたは1200kmもの距離を踏破しました。さんや袋にはよく同行二人(どうぎょうににん)と書かれています。これは、決して一人で歩いているのではなく常に弘法大師が傍に付いていて下さると言うことです。こうして無事に結願出来たことを弘法大師に感謝しましょう。そしてご家族やご友人、ご先祖様に感謝しましょう。
八十七番札所前を朝出発すると昼過ぎには到着します。ここから先、あなたはどうしますか?
人によって随分と違うようです。一周する人もおられれば、そのまま13時30分発か15時51分にお寺の前から志度行きのバスに乗って帰る人もおられるようです。
一周する場合は一番札所まで戻ります。このお寺からは2泊3日の道のりです。東かがわ市まで出て大坂峠を越えるルートと、徳島県阿波市に出て十番札所近くから一番札所に向けて逆打ちをするルートの2つがあります。因みに私は東かがわ市ルートを歩きました。見慣れた風景よりも讃岐の端っこから阿波に入ることでなるべく大きく回りたかったからです。
いずれのルートもこのお寺を出た先の宿の確保が難しいです。のんびり歩いて、八十八番札所の門前にある八十窪で41日目の夜を迎えるのも良いでしょう。こちらの宿では夕食には結願のお祝いに赤飯が出ます。名物の大女将さん、お話しが面白いですよ。
東かがわ市ルートを進むのでしたら、与田寺様にお参りしましょう。四国八十八ヶ所総奥の院です。厄除けで有名なお寺で正月などはかなり賑わうようです。御本尊は薬師如来様です。
一周した場合、一番札所まで戻ると懐かしさを覚えることと思います。涙を流す方もいらっしゃいます。納経所で歩いて一周したと告げて下さい。運が良ければお茶とお茶菓子でお祝いして頂けますよ。
概ね標準的な日数で書きました。45日から50日を費やす人もおられれば、速い人で28日と言うのを聞いたこともあります。長い距離を歩くのです、無理をして体を壊して途中棄権してしまうのは残念なことです。常にご自身の体と相談しながら弘法大師にお助け頂き無事の結願をなさって下さい。
あなうれし行くも帰るもとどまるも我は大師と二人連れなり
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歩き遍路の四国八十八ヶ所 87 長尾寺
四国八十八ヶ所八十七番札所は長尾寺様です。八十六番札所から歩くと約1時間半です。丘陵の間の比較的平坦な広い谷間を抜けて讃岐平野の東部へと入ります。
途中に八十七番奥の院の玉泉寺様がありますので立ち寄りましょう。納経印も頂けます。御本尊は日限(ひぎり)地蔵菩薩様です。御真言は「おん かかか びさんまえい そわか」ですね。
八十七番札所にお参りするか、それとも翌日にするか、門前で40日目の宿となります。
このお寺の仁王門前には経幢(きょうとう)という一対の石柱があります。鎌倉時代中期のもので国の重要文化財に指定されています。経幢には通常、陀羅尼(だらに)が刻まれていますが、これには梵字が各面に1文字づつ刻まれています。中が空洞になっていてその中に経文が収められていたようです。
さて、陀羅尼とは真言の長いものだと思って下さい。代表的な陀羅尼の一つを書いておきます。大金剛輪陀羅尼といいます。「のうまく しっちりや じびきゃなん (さらば) たたぎゃたなん あん びらじびらじ まきゃしゃきゃら ばじり さたさた さらていさらてい たらいたらい びだまに さんばんじゃに たらまち しったぎりや たらん そわか」です。括弧書きは唱えても唱えなくてもどちらでも結構です。真言宗でも高野山真言宗などは唱えませんが、真言宗醍醐派などは唱えると言った具合です。お寺での読経の際に般若心経と御本尊の御真言の間に唱えると良いでしょう。一切の罪や障害が消滅する有り難い功徳があります。
このお寺で源義経の妾・静御前が義経と別れた後、得度したという言い伝えがあります。得度とは僧侶になる前儀式で仏門に入るためのものです。
天台宗の別格本山で、御本尊は聖観音様です。御真言は「おん あろりきゃ そわか」ですね。
さあ次は、いよいよ最後のお寺です。
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歩き遍路の四国八十八ヶ所 86 志度寺
四国八十八ヶ所八十六番は志度寺様です。八十五番札所から歩くと約1時間半です。志度湾越しに五剣山の姿が見えますが、八十五番札所から見た山容とは異なりますので確認してみて下さい。
お寺の門前には塔頭寺院が三ヶ寺あり、そのうちの自性院様には江戸時代の発明家、平賀源内の墓があります。平賀源内はこの地の出身で、途中に生家もありますので立ち寄ってみるのも良いでしょう。
境内には海女の墓、生駒親正の墓があります。海女は藤原不比等との間に藤原房前を産んだそうです。その女性の墓を不比等が造らせたそうです。
本堂と仁王門が国の重要文化財に指定されています。境内には沢山の木があり、まるで林の中にお寺があるようです。
真言宗善通寺派のお寺で、御本尊は十一面観音様です。御真言は「おん まか きゃろにきゃ そわか」ですね。
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歩き遍路の四国八十八ヶ所 85 八栗寺
四国八十八ヶ所八十五番札所は八栗寺(やくりじ)様です。八十四番札所から歩くと約2時間弱です。屋島の急勾配を一気に下り、今度は五剣山の中腹まで登ります。
途中に洲崎寺様があります。ここには四国霊場の父と呼ばれる真念法師のお墓があります。是非お参りして、ここまで無事に来られたお礼を述べて下さい。
真念法師については
歩き遍路の四国八十八ヶ所 番外2 窪川~足摺岬 - くろうさぎのブログ
でご紹介しましたので確認して下さい。
登り口にはケーブルカーがあります。レトロな車両ですのでご覧下さい。坂を登る途中に草餅の店があります。とても柔らかくて美味です。元気で話し好きのオバちゃんが待ってます。
お寺の山号は背後の山から五剣山といいます。5つの峰を持つ岩峰でしたが江戸時代中期の宝永地震で一番南の峰が崩れました。
八栗と言う名は弘法大師が入唐(にっとう)前に八つの焼き栗をここに植えたのですが、帰国してみると立派に育っていたことに由来します。
境内には歓喜天様をお祀りする聖天堂があります。歓喜天様は聖天様とも呼ばれます。夫婦和合、金運の尊天です。かなり強い尊天ですのでご縁を持つと一生お付き合いしなければなりません。なお、歓喜天様の納経印も納経所で頂けます。十一面観音様との双身のお姿ですので、まず十一面観音様の御真言「おん まか きゃろにきゃ そわか」をお唱えします。脇侍に軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)様がおられますので次にその御真言「おん あみりてい うんぱった」をお唱えして、次に歓喜天様の御真言「おん きりく ぎゃくうん そわか」をお唱えします。
本堂左脇に階段があり上がると中将坊堂があります。中将坊大権現様という讃岐三大天狗の一尊をお祀りしています。大黒天様の化身ですので、御真言は「おん まか きゃらや そわか」です。健脚のご利益がありますので、最後まで歩き通せるようお祈りしましょう。天狗さんが祀られていると言うことは、修験道のお寺と言うことになりますね。
大師堂は本堂の右方向に進んだ離れた場所にあります。
真言宗大覚寺派のお寺で、御本尊は聖観音様です。御真言は「おん あろりきゃ そわか」ですね。
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