四国別格二十霊場 4 鯖大師本坊
四国別格二十霊場四番札所は鯖大師本坊様です。これは通称でお寺の名前は八坂寺(やさかでら)様です。徳島県では最後の札所となります。所在地は徳島県海部郡海陽町浅川15です。
四国八十八ヶ所二十三番札所から二十四番札所に向かう途中にありますので、立ち寄りやすいです。また、宿坊もありますので、歩き遍路の人もよく利用されます。また、こちらの柳本明善住職は歩き遍路の達人で、遍路道に「沙門明善」の案内札を掛けていますので歩きの方は見つけてみて下さい。また「満足行」という歩き遍路の団体修行を主催しておられますので、歩きを始めたい方は申し込んでみると良いでしょう。
さて、なぜ「鯖大師」なのか?その昔、弘法大師がこの地を巡錫中に馬の背に塩鯖を背負わせた馬子がやって来ました。この地は八坂八浜といい、昔の道は上り下りが続く難所でした。馬が苦しそうにしているのを見た大師は鯖を所望しました。馬子は「鯖か欲しいとは生臭坊主め、やらん」と断りました。そこで大師は「鯖一つ大師にくれで馬の腹病む」と詠みました。すると馬はたちどころに動かなくなってしまいました。困った馬子はどうか治して欲しいと懇願し、鯖を大師に渡しました。大師は「鯖一つ大師にくれて馬の腹止む」と詠むと馬が動くようになりました。大師は貰った鯖に祈祷し海に放つと元気に泳いで行きました。馬子はとても感銘を受け、大師の弟子となり、会ったこの地にお堂を建てて立派な住職となりました。これが鯖大師本坊の始まりと言われています。なお、弘法大師ではなく行基という話もあります。行基の場合、歌の中の「大師」が「行基」となります。本堂隣の大師堂には鯖を持った弘法大師のお姿があります。
このお寺には鯖断ち祈願があります。3年間鯖を食べることを断って願いを叶えるというものです。3年断つのは難しいですね。鯖、美味いですから。
高野山真言宗のお寺で、御本尊は弘法大師です。真言宗のお寺にはこうした弘法大師が御本尊のお寺も珍しくありません。弘法大師の場合、御真言ではなく御宝号と言います。御宝号は「なむだいし へんじょうこんごう(南無大師遍照金剛)」です。
あなたの欲しい写真がきっと見つかります。