歩き遍路の四国八十八ヶ所 83 一宮寺
四国八十八ヶ所八十三番札所は一宮寺(いちのみやじ)様です。八十二番札所から歩くと約3時間です。五色台を下りて再び讃岐平野を歩きます。
高松の市街地にありますので、途中、昼食を摂る場所には事欠きません。
このお寺は名前の通り、隣に讃岐国一宮・田村神社様があります。時間に余裕があれば是非お参りしてください。高松藩第二代藩主松平頼常により田村神社様の別当寺でしたが分離させられ、田村神社様の本地仏だった今の御本尊を新たに建てた現在のお寺に遷しました。頼常は徳川光圀(水戸黄門)の長男であり、その宗教政策は親譲りの独特なもので神仏はそれぞれ分けて信仰すべきとの考えでしたので、神仏混淆は許されなかったということです。なぜ、水戸徳川家の嫡男が支藩の高松藩の藩主になったかは美しい兄弟愛の経緯がありますのでお調べ下さい。
境内の手水舎の左横には薬師如来の祠という、小さな石造りの祠があります。頭を突っ込むと地獄の釜の音が聞こえます。悪人は頭が抜けなくなるそうです。幸い私は抜けました。
昔、「おたね」という意地悪なお婆さんがいました。地獄の釜の音がするとの噂を聞きつけ、そんな噂話を信用せず、頭を突っ込むと抜けなくなりました。すると閻魔様が現れ今までの罪状を問いただし、地獄の釜の火で炙ります。耐えかねた、おたねさんは今までの罪を詫びました。すると頭が抜け、その後は改心して近所の人と仲良く暮らしましたとさ。
また、薬師如来様の効能で首から上の病気が良くなるそうです。でも頭の回転や記憶力は良くならないようです。現に私がそうですから。何度も突っ込んでいるとそのうち良くなるでしょうか?この地獄の釜の納経印も納経所で受けられますよ。
真言宗御室派のお寺で、御本尊は聖観音様です。御真言は「おん あろりきゃ そわか」ですね。
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